■ 2004.09.01号 ■ あかぼこ山 30号
「お年寄りにみられる排泄障害@」(2004年7月25日在宅介護教室より) 1.頻尿 加齢に伴う生理的現象の一つに頻尿というものがあります。健康な成人の1日の尿量は一般的に1,000〜1,500mlとされ回数は日中で4〜7回、夜間 は0〜1回が通常とされています。頻尿と呼ばれる状態になると排尿回数が異常に多くなり、1日10回以上にも及びます。特に夜間の排尿回数が多 い夜間頻尿は、不眠の原因ともなり、日常生活に支障をきたすことにもなります (原因)
腎臓での尿生成、尿管、勝胱に何らの異常を認めない状態で、尿の蓄積や尿意があるのに排尿が出来ない状態を言います。また、これには尿が完全 に出ない完全尿閉と、少量しか出ない不完全尿閉の二つのタイプがあります。 (原因) 1)前立腺疾患、肥大症:前立腺肥大症は10人中3〜7人程度が罹患しており、加齢とともに割合は上昇する。 2)尿管結石、または勝胱結石。 3)服用している薬剤の副作用(神経に排尿を妨げる影響を与える場合) (対応) 医療機関で必要な処置を受けます。(導尿後、検査して原因疾患の治療を行ないます。) 3.尿失禁 尿失禁とは、無意識のうちに尿が身体の外に漏れてしまう状態のことを言います。排尿は勝胱の排尿筋の収縮と、骨盤底にある尿道括約筋の弛緩 という共同作業により起こります。勝胱の中に一定量(300〜400ml)の尿が貯まると膀胱充満刺激が大脳にある排尿中枢に伝達され、排尿をコント ロールします。この排尿中枢が、脳卒中などの障害により、コントロール不能または困難になった場合、意識することなく排尿を引き起こす状態に なってしまいます。尿失禁には主に以下のタイプがあります。 1) 尿失禁の種類 @腹圧性失禁 くしやみや咳、いきみ、縄跳び、重いものを持ち上げたとき、大笑いしたときなど、腹圧がかかることにより尿漏れが引き起こされます。主に女 性に多いタイプですが、女性は尿道が短いこと、お産などで骨盤底筋肉が緩むことが原因とされています。(腹圧によって勝胱が押される→脚光の 内圧が高くなる→骨盤底筋の収縮力が抵抗できなくなる→尿がもれ出てしまう。) A切迫性失禁 急に尿をしたいという衝動が生じ、尿意を覚えると我慢できずに漏らしてしまう状態です。膜胱の収縮筋が過敏になり、尿が少量でも膀胱内に貯 まっただけでも収縮してしまうために起こります。脳卒中や、脳血管障害、脳腫癌、パーキンソン症候群等により、排尿抑制力の低下した状態の時 によく見られます。 B反射性失禁 尿意がないのに勝手に勝胱が収縮して尿が漏れてしまう状態0脊髄の病気や脳障害により、尿がたまった感覚がなくなる場合に起こります。 C溢流性失禁 尿が少しずつ、絶えず漏れ続けるという状態のもので、膀胱の出口や尿道に、尿の流出を妨げる病気があるときなどに起こります。 男性では 前立腺肥大症が進行した場合に特に多く見られます。(排尿を妨げている障害物に打ち勝って尿がタラタラと流れる。) D機能性失禁 奉公や尿道には障害がないが、痴呆や大脳、小脳の障害によって、一人でトイレに行くことが出来ない、トイレの場所がさわからないなどの原因 で漏らしてしまう状態。 ※医原性尿失禁 :医師により投与された薬物が原因となって生じる尿失禁を言う。 2)尿失禁への対応 @腹圧性尿失禁 ・骨盤底筋の筋力強化(骨盤底筋訓練法)。2〜3ケ月続ける必要があり、3人に2人程度に効果があると言われています ・肥満、便秘を防ぐ。 A切迫性失禁 ・薬剤での対応(70%に効果が期待出来る) ・尿を貯める膀胱訓練(膀胱容量を増やす訓練)、骨盤底筋を鍛える、肥満や便秘を防ぐ。等 B溢流性尿失禁 ・薬剤による治療、残尿の除去、前立腺の治療などが必要となります。 C機能性失禁 ・ADL(日常生活動作能力)低下や痴呆によるものと考えられますので、リハビリテーション、介護、介護用具の活用、環境整備などを行ないます。 ※ ケアマネージャーなどと相談し、各種社会資源を活用して対応します。
青梅市内には霞台とか霞川、霞農協など「霞」という名前のついた地域や名称があります。町村合併で青梅市が成立する以前に霞村 があった地域で、今でも地元の方には十分通用する呼称です。ところで、なぜ「霞」と呼ばれたのかという由来については、昔は同地 にある塩船観音寺に対してその周辺地域を「霞」と呼んでいたという事を聞いたことはありましたが、それ以上を聞いたり調べたりす る機会がないまま記憶の隅っこに置いたままになっていました。ところが先日『春秋山伏記』(藤沢周平著)の「あとがき」で次のよう な一文と出くわしました。「ほら貝を吹き、大きな袋を担いだお供を一人連れて、軒を入ってくると『羽黒山、松の勧進』と唱えてお札 をくれた。家々では、お盆に米やもちをのせて、うやうやしく差し出し、『ごくろうさんですのう』などと言いながらお札を頂戴する。 この風景が、山伏が霞(檀家区域)をお回る姿の名残だと知ったのは(後略)」また、その「解説」のページには「山伏がお札を配って 歩く地域を霞といい、羽黒山伏の霞は東北一帯から遠く関東、信越地方にまで及んだ。お札は勿論有料で、それは山伏たちの収入源で あった。(後略)」とありました。もちろん塩船観音寺は京都にある醍醐寺に由来を持つお寺ですが、「総本山・醍醐寺は真言宗の総本山 であると同時に、山岳信仰の山伏の本山にもなりました。醍醐寺を中心とする山伏達を当山派修験道とよび、塩船観音寺はその別格本 山です。」(塩船観音寺ホームページより)とあるとおり、歴史的に幾多の山伏が行き来し、修行を積んだお寺です。霞という名称が今 日まで残ったのも当然といえば当然のことなのかもしれません。
|